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銀行の高配当株、おすすめはどこ?

2020 年度、コロナ禍の年に、配当を減らした銀行は 70 社中 14 社。5 社に 1 社です。同じ年に配当を減らさなかった名古屋銀行は、その後の 5 年で 1 株配当を 23.3 円から 170 円へ、約 7 倍にしました。

利回りの高い順に並べた銀行株の一覧なら、ほかにもあります。この記事では、上場する銀行の 10 年分の配当を 1 社ずつ数えて、苦しい年にも配当を守ってきた銀行を条件で絞りました。条件に当てはまったのは 11 社です。

この記事でわかること

数値は EDINET の有価証券報告書をもとに当サイトが集計したものです(2026 年 10 月 26 日時点・東証の業種が「銀行業」の会社)。年度は決算期が始まった年で、2020 年度は 2021 年 3 月期です。1 株配当は株式分割を調整した値です。概算利回りは、各社の有価証券報告書にある決算期末の株価で計算しています。

この記事の内容
  1. 銀行の配当は、何で揺れるのか
  2. 先に、条件を決める
  3. 条件を満たした 11 社(概算利回りの順)
  4. メガバンク 3 社は
  5. 条件のすぐ外にいる会社
  6. ツールで、自分の条件に変える
  7. 数え方と、数字を読むときの注意

銀行の配当は、何で揺れるのか

銀行の配当が減る年は、多くありません。大きな出来事の無かった年の減配率は 5.1% で、20 社に 1 社です。

揺れたのは 2 つの年でした。

配当を減らした銀行の割合(年度別)

平常=大きな出来事の無かった 6 年分(2016・2017・2018・2021・2023・2025 年度)の合計。いちばん下の薄い行は、2020 年度の上場企業全体です。

平常5.1%
2020 コロナ20.0%
20213%
20221%
2024 利上げ0%
全業種 202026%

出所:EDINET の有価証券報告書をもとに当サイトが集計(業種別の減配の記事と同じ数え方)

銀行の利益は、貸すお金の金利と、預かるお金の金利の差で決まります。金利が上がると、貸す金利は早く上がり、預かる金利は遅れて上がるので、差が広がります。反対にマイナス金利が始まった 2016 年には、地方銀行は貸出を増やしたのに本業の利益が減りました。この仕組みは業種別の減配の記事で数字つきで追っています。

利上げの 2024 年度は、減配した銀行が 1 社もありませんでした。どの銀行も配当を守れる年には、銀行どうしの差が見えません。差が出たのは、金利が低かった年と、コロナ禍の年です。

先に、条件を決める

この記事で「おすすめ」と書くのは、次の 3 つの条件をすべて満たした会社という意味です。

  1. 配当の安心度が A。安心度は、配当の続けやすさを 100 点満点で採点し、A〜D の 4 段階にした当サイトの評価です。A は 88 点以上で、いちばん上の段階です。銀行のような金融業では、安定性を「直近 7 年で、1 株配当が前の年度よりいちばん大きく下がった幅」で測っています(下がった年が無ければ満点)。銀行業 81 社のうち A は 43 社です
  2. 減配なし 10 年以上。配当を前の年度より減らさずに続けてきた年数です。全業種で数えると、5 年以上続けてきた会社の減配率は、2 年以下の会社のおよそ半分でした(減配しない株の見分け方)。10 年以上なら、2020 年度も減らしていません。当サイトの記録は 2012 年度からなので、いちばん長い会社は 13 年です
  3. 概算利回り 3% 以上。銀行業 81 社の概算利回りの真ん中は 2.84% で、3% 以上は 37 社です

株価の割安さや、今後の値上がりは条件に入れていません。配当を受け取り続けたい人のための条件です。

3 つの条件で、81 社がここまで絞られます。

条件を 1 つずつ足すと、何社が残るか

銀行業でツールの対象になる 81 社から(2026 年 10 月 26 日時点)。

銀行業81 社
+安心度 A43 社
+減配なし 10 年23 社
+利回り 3%11 社

条件を満たした 11 社(概算利回りの順)

社名を押すと、ツールでその会社の詳細(1 株配当の推移のグラフなど)が開きます。

会社 概算利回り
配当性向
減配
なし
配当(円)
2020→2025
大東銀行(新しいタブで開きます) 4.14%
30%
13 年 30 → 40
フィデア HD(新しいタブで開きます) 4.04%
33%
13 年 60 → 75
三井住友トラスト G(新しいタブで開きます) 3.77%
41%
13 年 75 → 185
紀陽銀行(新しいタブで開きます) 3.58%
40%
11 年 35 → 137
三菱 UFJ FG(新しいタブで開きます) 3.31%
40%
13 年 25 → 86
トモニ HD(新しいタブで開きます) 3.19%
31%
13 年 8 → 26
三井住友 FG(新しいタブで開きます) 3.13%
38%
13 年 63.3 → 157
ふくおか FG(新しいタブで開きます) 3.06%
40%
13 年 85 → 180
南都銀行(新しいタブで開きます) 3.05%
40%
13 年 16 → 43
名古屋銀行(新しいタブで開きます) 3.02%
41%
13 年 23.3 → 170
群馬銀行(新しいタブで開きます) 3.01%
40%
12 年 13 → 62

出所:EDINET の有価証券報告書をもとに当サイトが集計(2026 年 10 月 26 日時点)。概算利回りは決算期末の株価での値で、証券会社の画面に出る今日の株価での利回りとは違います。「減配なし 13 年」は、当サイトの記録(2012 年度〜)のあいだ一度も減らしていないという意味です。HD=ホールディングス、G=グループ、FG=フィナンシャルグループ

配当性向(利益のうち配当に回した割合)は、11 社とも 30〜41% です。利益の半分以上を配当に回している会社はありません。利益が少し減っても、配当を守る余地が残っている水準です。

11 社とも 2020 年度に配当を減らしていません。そこから 5 年の伸びは、1.3 倍から 7.3 倍まで開きました。

2020 年度から 2025 年度に、1 株配当は何倍になったか

株式分割を調整した 1 株配当で比べています。

名古屋銀行7.3 倍
群馬銀行4.8 倍
紀陽銀行3.9 倍
三菱 UFJ FG3.4 倍
トモニ HD3.3 倍
南都銀行2.7 倍
三井住友 FG2.5 倍
三井住友トラスト2.5 倍
ふくおか FG2.1 倍
大東銀行1.3 倍
フィデア HD1.3 倍

出所:同上

いまの利回りと、配当の伸び

右へ行くほど概算利回りが高く、上へ行くほど 2020 年度から配当が増えた会社です。

3.0%3.5%4.0%0 倍2 倍4 倍6 倍8 倍大東銀行:概算利回り 4.14%・配当 1.3 倍大東銀行フィデア HD:概算利回り 4.04%・配当 1.3 倍フィデア HD三井住友トラスト G:概算利回り 3.77%・配当 2.5 倍紀陽銀行:概算利回り 3.58%・配当 3.9 倍紀陽銀行三菱 UFJ FG:概算利回り 3.31%・配当 3.4 倍三菱 UFJ FGトモニ HD:概算利回り 3.19%・配当 3.3 倍三井住友 FG:概算利回り 3.13%・配当 2.5 倍ふくおか FG:概算利回り 3.06%・配当 2.1 倍南都銀行:概算利回り 3.05%・配当 2.7 倍名古屋銀行:概算利回り 3.02%・配当 7.3 倍名古屋銀行群馬銀行:概算利回り 3.01%・配当 4.8 倍群馬銀行概算利回り →↑ 配当の伸び(2020→2025 年度)

点は 11 社。濃い点に名前を付けました(PC では点に重ねると会社名と数字が出ます)。出所:同上

利回りの高い順と、配当の伸びの順は一致しません。利回りが最も高い大東銀行とフィデア HD は、5 年で 1.3 倍。名古屋銀行や群馬銀行は利回り 3% 台前半ですが、配当は 5 倍前後に増えています。いまの利回りを取るか、配当の伸びを取るかで、選ぶ会社が変わります。

名古屋銀行の配当は、2024 年度の 90 円から 2025 年度の 170 円へ、1 年で 80 円増えました。5 年の伸びの半分以上が、この最後の 1 年です。いまの利回り 3.02% だけを見ていると、ここは見えません。

名古屋銀行の 170 円は、2025 年 10 月に 1 株を 3 株に分けたあとの値です。2025 年度の配当は、中間が分割後の換算で 50 円、期末が 120 円で、記念配当や特別配当は含んでいません(2026 年 3 月期 決算短信)。

私は条件で絞ったあと、詳細画面で配当の推移を必ず見ます。

この 3 つの条件で銀行業を絞ってツールを開く 11 社が残ります(2026 年 10 月 26 日時点)。会社名を押すと、最長で 2012 年度からの 1 株配当の推移をグラフで見られ、2020 年度に配当をどう守ったかを 1 社ずつ確かめられます。無料・登録不要です(新しいタブで開きます)

メガバンク 3 社は

銀行株と聞いて、まず名前が浮かぶのはメガバンク 3 社でしょう。3 社のうち 2 社が条件に入りました。

会社 概算利回り
配当性向
減配
なし
配当の伸び
2020→2025
三菱 UFJ FG(新しいタブで開きます) 3.31%
40%
13 年 3.4 倍
三井住友 FG(新しいタブで開きます) 3.13%
38%
13 年 2.5 倍
みずほ FG(新しいタブで開きます) 2.38%
29%
13 年 1.9 倍

出所:EDINET の有価証券報告書をもとに当サイトが集計(2026 年 10 月 26 日時点)。太字が利回りの条件(3% 以上)を満たした会社

三菱 UFJ FG と三井住友 FG は、2020 年度から配当を 3.4 倍と 2.5 倍に増やしています。みずほ FG も安心度 A・減配なし 13 年で、配当を守ってきた記録は 2 社と同じです。外れたのは利回りだけでした。配当性向は 29% と 3 社でいちばん低く、利益に対して配当を控えめにしています。

三井住友トラスト G も 11 社に入っていますが、信託銀行のグループで、一般にはメガバンクに数えません。

条件のすぐ外にいる会社

利回りの高い順に銀行を並べると、11 社に入らない会社も上位に出てきます。太字が、条件から外れた所です。

会社 概算利回り 減配
なし
安心度
京都 FG(新しいタブで開きます) 4.43% 2 年 A
福井銀行(新しいタブで開きます) 3.38% 9 年 A
西日本 FH(新しいタブで開きます) 3.18% 9 年 A
山陰合同銀行(新しいタブで開きます) 3.47% 5 年 B
山形銀行(新しいタブで開きます) 3.55% 6 年 B

出所:EDINET の有価証券報告書をもとに当サイトが集計(2026 年 10 月 26 日時点)。FH=フィナンシャルホールディングス

始めたばかりの頃、私は利回りの高さだけで買って、含み損を何度も抱えました(私の高配当株の見方)。4.43% のような数字を見たら、まず中身を分けて見ます。

累進配当(配当を減らさず、維持か増配する方針)は、会社が出す方針です。方針を出す前の減配は、記録に残ります。この記事は方針ではなく記録で見ているので、利回りの高い山陰合同銀行と山形銀行は 11 社に入りませんでした。

条件を厳しくして、概算利回りを 3.5% 以上にすると、11 社のうち残るのは大東銀行・フィデア HD・三井住友トラスト G・紀陽銀行の 4 社です。

ツールで、自分の条件に変える

この記事の条件は一つの例です。ツールでは、次のように自分で変えられます。

  1. 業種を「銀行業」にする(81 社)
  2. 配当の安心度を A にする(43 社)
  3. 連続増配・維持の年数と、概算利回りの下限を、自分の好みに合わせて入れる
  4. 残った会社の詳細を開き、配当の推移で 2020 年度前後に何が起きたかを見る

持っている銀行株があれば、ツール上部の検索欄に会社名かコードを入れると、減配なしの年数と安心度をそのまま確かめられます。

条件を自分で変えて試す(銀行業・安心度 A から) 年数と利回りの下限は入れずに開きます。自分の好みの数字を入れてください(新しいタブで開きます)

数え方と、数字を読むときの注意

減配は、株式分割を調整した 1 株配当が前の年度より 5% 以上減った年です。記念配当・特別配当の翌年に元の水準へ戻っただけの年は、減配に数えていません。業種別の減配率(平常 5.1%・2020 年度 20.0%・2024 年度 0 社)は、業種別の減配の記事と同じ数え方です。

11 社は、2026 年 10 月 26 日時点の数字で選んでいます。新しい有価証券報告書が出ると、利回りや年数が変わり、入る会社も変わります。表は 3 か月ごとのデータの更新のときに数え直します。

これは過去の記録です。10 年以上減らさなかった会社でも、これから先に減らすことはあります。11 社はどれも銀行なので、何社に分けても、金利という同じ原因で一緒に動きます。銀行株は、ほかの業種と組み合わせて、同じ原因に偏らないように持つのが私のやり方です。持ち株の偏りは、配当管理(新しいタブで開きます)に登録すると業種別の円グラフで見られます。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。当サイトは金融商品取引業の登録を受けておらず、投資助言を行うものではありません。数値は執筆時点で取得したデータに基づく概算・参考値です。株式投資は元本割れの可能性があり、配当は会社の業績等により減配・無配となることがあります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

公開 2026-10-26/書いた人:ねんりん